2014/5/31 一ノ倉沢南稜 「会山行」
メンバー : (L) ON(記)・AS・HS/(SL) ノリ・MT
駐車場7:30・・出合8:30・・テールリッジ9:05・・南稜テラス9:45・・終了点13:10~45・・南稜テラス16:45・・出合17:20
沢登りを続けているかぎり通わなくては・・・と、個人的にも毎年の南稜参りとなってきているが、ここ数年新人さんと登ることが多くなって、いい意味で緊張感のある登攀となっている。
今回も私のパーティーは、ASさんとHS君を加えた3人で、2人ともまだ二十歳をちょっと過ぎたばかりの若者で、今日が一ノ倉デビュー。
もう1パーティーはノリ&Mさんのベテランパーティー。ただ、Mさんは一ノ倉との相性が悪いらしく、数十年振りとのこと、登り終えた心中や如何に。
さて、ちょっとしたアクシデントを乗り越えて、例年規模の雪渓をテールリッジに向かう。
すでに何パーティーか先行していたが、前の5、6人のパーティーは中央稜との事で、取り敢えず目先の時間待ちロスの心配は無くなった。
好天に贅沢は言えないが、周囲からの赤外線&紫外線を感じながら、一汗も二汗もかいて中央稜の取付に向かい、そこから烏帽子奥壁の基部をトラバースして行く。
今日は落石の破片か、やけに細かな石が岩の上に多く散らばっていて、石車に乗らないように慎重に行く。
雪解け直後は浮石が多く落石が多いのだが、中央稜の取付から南稜テラスまでは落石の危険地帯で、今までも冷汗をかかされたことが何度かあった。
ごく近くに落石があると、岩と岩がぶつかって出る何とも言えない臭いがするもので、長くクライミングをやっていると1度や2度は嗅いでしまう事になるだろう。
南稜テラスには誰もいなかった。しかし、振り返ると中央稜や凹状、カンテや変チ、フランケにもクライマーが取り付いており、今日の一ノ倉は賑やかだ。
勝手知ったるルートとはいえ油断は禁物。ASさんにビレーを頼み、慎重にザイルを延ばす。
時間待ちは無かったが、2ピッチ目にかかる頃、早々に登ったパーティーが懸垂で降りて来た。うっとうしかったが逆の立場のこともあるので仕方がない。
南稜が混んでいた一昔前は、みんな6ルンゼから本谷バンドに下りたもんだった。
3ピッチ目はザイルの動きがスムースに行くように注意しながら登り、馬ノ背の途中で薫風に吹かれながら2人を確保する。
ここからの景色はいつみても迫力がある。
最後の垂壁はHS君にトップを譲る。
長いリーチを生かしぐいぐいとザイルが延びて行き、あっという間に終了点に着き、その後、ASさんと私をあげてもらう。
今日は岩が乾いていてコンデションが良かった上に、セカンドという事もあってフリーで登る事が出来た。
終了点で昼食をとりながら、ノリ、Mさんパーティーの到着を待って懸垂下降に入る。
4ピッチで南稜テラスに戻ったが、最終ピッチの時、中央稜取付下に県警のヘリが救助にやって来た。
降りた時に聞いた話では、落石で手を骨折したらしい。
そういえば烏帽子奥壁のあちこちから「ラーク」の掛け声とともに、ガラガラと落石の音が聞こえていた。
ほとんどのパーティーが登攀を終えて静かになった頃、慎重にテールリッジを下った。
無事南稜参りが出来て、今年もまた沢に向かう事が出来そうだ。
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