林道をショートカットし雪崩常習地帯に出たが、今年はいつもの大規模なデブリが無い。度々雪害のニュースを見るが、この地域の積雪は例年になく少ない。
勝手知ったる取付から杉林に入ると、林の中は埋まらず歩き易い。
杉林を抜けると細い尾根になり急登が始まる。残雪期には雪が下がってクラックが出来るところだが、今日は快適に登って行ける。
ブナ林に入ると傾斜も徐々に落ち、やがて山頂に続く広く緩やかなブナ林に出、山頂へは10分ほどで到着する。
カネクリ山には及ばないが、ヨモギ山からの展望もなかなかの絶景で、水無流域の山々の絶好展望地ながら雪のある時にしか来られないのが惜しい！
冷たい風に長居出来ず、少し下りた木々の間で大休止とした。
下山は南西ルートに向かう。２つの岩峰通過がこのルート核心部で、特に最初の第1岩峰は巻けないのでどうしても岩峰の上に立たなくてはならないが･･･。
一見して「こわっ！」
今迄で１番悪い状態で、取り敢えず右に回り込んでみるとなんか登れそうで、手前の悪い部分をパスすることが出来た。
登りが登りだっただけに、下りはいつも以上に慎重に下りた。この時アイゼンではなくスノーシューだったのだが、このＴＳⅬは前後が尖っているうえに、ビンディングが固定できるので、急斜面の登降でも雪面にキック出来るのでなかなかの優れものだ。私のＭＳＲではそういう技は出来ない。
さて、次の第2岩峰だが、こちらも雪の魔物が獲物を待っているような状態で、そんな誘いには乗らず右に回り込むが、雪庇＋落とし穴であっさりあきらめ、下に見える杉林めがけて急斜面を下りることにした。
雪がちょうどいい軟らかさだったことと、以前この辺りを歩いたことがあったので不安はなく、雪崩に気を使いつつ10分で一気に下りた。
後は杉の植林地帯を林道に沿って下降気味にトラバースしていけば安全に下山できる。
十二神社に着くころ、空一面に雲が広がっていた。
