2012/4/15 陽光眩しい北ノ又川白沢

 みちぐさ山の会 会山行

 前夜発 O(記)、Kさん、I君、Iさん
 当日発 Mさん、Aさん、MMさん、0Sさん、NYさん


  銀山平     6:00  16:00
  白沢出合   7:30  14:50
  白沢ノ頭   11:00  13:00
  駒ノ小屋   11:30
  駒ヶ岳山頂 12:00

晴れ渡る空の下、林道を行く
怖い魚止滝
陽光の白沢を行く
駒ノ小屋
白沢ノ頭に全員集合(I君撮影)
14日 午後4時過ぎシルバーラインのトンネルを抜ける。今年初めての銀山平。やはり残雪の壁は例年になく高い。今日の泊りは、私NとI君・Kさん・Iさんの4名だ。雲行きが怪しい為、雨具を付けて銀山平「白銀の湯」近くの駐車場にジャンボエスパースを張る。ちょっと降られたが、中に入ってしまえば別天地、例によって明日の天気祭り開始。夜8時頃、いっとき雲が取れて素晴らしい星空が現れ、全員感嘆の声を上げる。明日は好天の予感。

15日 4人で6時出発。私はボード、Iさんはスキー、I君とKさんはスノーシューだ。本日入山メンバーもそれぞれで、今回の足元はバラエティーに富んでいる。

昨日の天気祭りが効いたせいか、ガスっているが空は明るい。石抱橋上流の橋を渡り林道に取り付く。自分の中の記憶では、残雪期白沢の適期は4月上旬までである。この時期になると1日数十cmも消えていく為、半ばにはもう入れないことが多かったのだ。

白沢の滑降に期待が膨らむ。
雪はかなり締まってはいるが、放射冷却にならなかったので、ツボ足では少し沈むがそれぞれ軽快に進む。  

霧の上に浮かぶ荒沢岳を左手に眺めつつ林道を進んでいたら、急にIさんが直径20cm位の木の幹にかじりついた。そして自慢の前歯で皮を剥ぎ取り始めたではないか。どうやら薬木のキワダ(キハダ)であることを、身を持って教えてくれたようだ。さすがはネイチャーガイド。しかし何も歯で剥かなくてもいいと思うが、猫の爪とぎ習性と同じような遺伝子を持っているのかも知れない。

約1時間半で白沢出合に着くと、駒からの稜線が真っ白く延びて我々を誘っている。ここから白沢に入るのだが、口が開いているところも多く、落ちないように気を付けて進む。
やがて沢が狭まってくると、このルートの関所ともいえる魚止滝が待ち構えている。落ちたら助からない怖い所だ。以前は滝のすぐ右手を登ったが、今日は少し離れて右の斜面を真っ直ぐ登り、そこからトラバースで回避した。
下を見ると他のパーティーが追い付いてきていた。ウチのパーティーかと思ったら、小正月の八海山でご一緒したH先生のパーティーだった。いつもながら元気な人たちにこの後追い越されてしまうのだ。
魚止滝を超えると50m位で道行山からの沢と合流する二俣に着く。ここは良いお休み処だ。

白沢は、ここから左へヘアピンのように曲がって入って行く。狭かった沢は次第に広がりをもち、雪渓の白、真っ青な空、そして岩や木々の茶。3色の世界をくねくねと蛇のように進んで行く。

百草ノ池下までは急なところもなく、左右からのブロック雪崩に気を付ければよいのだが、この時期、この沢で一番気を付けなければならないのは紫外線である。何しろ細長いパラボラアンテナの底にいるようなものなので、360度から紫外線の攻撃を受ける。サングラスはもちろん、日焼け止めクリームをしこたま塗りこんで来ないと後で大変なことになる。

くねくねを何回か繰り返し、振り返ると後発メンバーも追い付いてきて一緒に登るようになった。中でもNYさんは元気でスノーシューでサクサクと上がって行く。

今日入山のメンバーもスキー、ボード、スノーシューとスタイルはさまざまだが存分にこの陽光と残雪を楽しんでほしい。

高度が上がるにつれ稜線が低くなり、百草ノ池下の急登を登れば小倉山からの広い稜線に出る。ここから白沢ノ頭への登りがまた苦しい。そして最後は小屋下の急登を登り11時半、駒ノ小屋到着。
今日は折角だから山頂まで行って猿田彦命をお参りする。大雪にもめげず相変わらず渋い顔で立っていた。

小屋前で昼食後、小屋下の斜面を慎重に下り、白沢ノ頭で待つメンバーに合流、ここで全員集合だ。
さーて、ここからがスキー、ボードにとっては一番楽しい時空間で、魚止滝手前までの大滑降となるのだ。

いざ、白沢ノ頭から白沢へ滑り込む。I氏は益々パワフルな滑りに磨きがかかり、Aさんは腐った雪に果敢に挑戦。Mさんもテレマークで悪戦苦闘。スノーシュー隊のM、I、K、OS、NY各氏も下りは元気いっぱいにそれぞれ雪と戯れている。

しかし、楽しい時間はほんのいっときで終わってしまうものだ。あっという間に二俣に着いてしまう。
魚止滝を慎重に下れば後は林道を帰路に着くのみ。

アプローチは辛く長い道のりだが、その先には短くても煌めく瞬間があるのだ。だからバックカントリーはやめられない。

帰路、白沢出合で撮った写真には、みんなのいい顔が写っていた。