1月31日の滑りの快感が忘れられず、ブナが芽吹く前にもう1回来たいと思っていた。 前回と同じく真っ青な空だが、さすがに3月なかばになると暖かい。 ツボ足の先行者の足跡があるが、新雪の下に硬い層があり、あまりもぐってはいない。 ストックを刺すとリングが埋まる深さで、滑るにはいいコンディションだ。 少し湿っぽいが魚沼とは比べようがないほどいい雪質だ。やはり来て良かった。 今回は、前回目を付けておいた尾根の滑降予定だが、ここも初めてなので登りながら確認していくこととする。 作業小屋?の手前から左の尾根に向かい、末端近くの低いところから取付く。 「滑りは灌木の少ない正面だな」などと考えながら登って行くが、近くでよく見ると結構デコボコが大きくイマイチだった。 尾根に上がったところで一休みしながら、登り始めたばっかりなのに 「隣りの尾根も良さそう」 などと、欲張りな気持ちが湧いてきた。 斜面を登ると細い尾根が現れ、その先は小ピークになっていた。下りはこの登り返しと、さっきの細尾根は避けたい。 帰りの滑降場所を確認しながら登って行く。少し木々が疎の斜面に決め、とりあえずここを尾根から下の小屋に向かっての滑降ルートとする。 緩急の広い尾根をスノーシューで軽快に登って行くにつれ、新雪は乾いた雪質になってきた。 尾根の右側(北側)はクラストしており、左側(南側)は雪が深く、強い陽射しに腐り始めて来ていた。 山頂手前の広い樹林帯で先行者を追い越した。スキーを背負っていたが自分なら絶対シールで登る。 今日は他に2人パーティーと単独のスキーヤーが入山して、私を入れて4パーティーだった。 標高が増してくると更に気温が下がり、風も強まり、雪の華が咲き始めてきた。 前回も美しかったが、今回も青空に映えて美しい。登山口では全く想像していなかった美しい世界。この時季、魚沼ではなかなかこういう景色にはお目にかかれない。 山頂に近づくと気温の低下と共に、風も強さを増してきた。 尾根に出てからはノンストップで、山頂には1番乗りだった。 前回よりも強い寒風に、とても5分たりとも休める状況でなく、360度の眺望を楽しむのもそこそこに滑降準備に入る。 風さえなければ楽々と昼寝をしたい頂だ。 指先がかじかんでくる前に何とか準備を終え、風から逃げるように滑り出す。 パウダーからアイスバーンと腐った雪が混じった難しい雪質に変わり、ブナの樹間をぬう様に一気に滑り降りる。 風の影響が無くなった斜面の、大きなブナの木の下でお昼にする。 重くなってきた雪を蹴散らしながら、登りで確認しておいた灌木斜面を滑り下りれば今日のお楽しみの終了だ。 ツボ足でも楽々歩ける程まだ雪面は硬く、ボードを小脇に抱え、暖かな日差しに送られ、広い高原を最後のアプローチの下りに向かった。 |
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左側から取付き尾根に上がる |
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小ピークの登り返し |
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尾根からの滑降斜面 |
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立派なブナの木に咲いた華 |
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ブナ林の斜面(写真よりも傾斜が強く楽しく滑れる) |
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もうすぐ山頂 |
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ブナの大木の下で昼食 |