前日、会の仲間が3名で滑った米子沢。
毎年のように沢登りに来ているが、滑ったことが無かったので、自分も同行したかったが所用で参加出来ず、帰ってきたノリさんから「危ない所は無い」の情報をもらい、天気も何とか午前中は持ちそうなので早朝出発する。
クラックとかの危ない所は無くても、沢では雪崩のリスクは常にあるわけで、しかも今日は気温高めの予報。
「超重たい雪」もクリアするため5時出発のつもりだったが、コンビニに寄ったりして、結局25分遅れで出発。
薄明るくなってきたので、ヘッドランプは出さなかった。
道路から2.5m位の雪壁を乗り越えると、夜中の冷え方がキンキンじゃなかったせいか、凍み渡り状態にはなっていなかった。
時折トレースを利用しながら桜坂に到着。
井戸尾根には今回左側から取り付く。
雪面はなんというか日柄が過ぎた大福もちのようだが、先月の阿寺山に比べればまったく楽である。
井戸の壁を越え、早めにブナ林を抜け、五合目の上辺りの尾根に出ると、クラストしていて凍み渡り状態になっていた。
無雪期の五合目は米子沢が良く見える休憩場所なので、ここからも沢中が良く見え、1箇所両側からのデブリが合わさったところが見て取れる。
あそこが鬼門か。
緩斜面から灌木帯の斜面をスノーシューでサクサクと登って抜ければ、ニセ巻下の広い緩斜面に出る。
広い雪原は、ニセ巻への登りに取り付くまで結構長く感じる。

ニセ巻への登りは、残雪が少なくなると上部が結構急になり、ガチガチにクラストしている部分があったりして怖いこともあるのだが、今日はスノーシューで楽々登れた。
ニセ巻には春風にしては少々冷たい風が吹いていたが、小屋のところまで下りれば穏やかとなる。
ここで20分ほど休んで山頂に向かう。

一人静かに風に吹かれ、背中に陽光を感じながら山頂に立てば、360度の展望は春霞にかすんでいた。
米子沢に下りる尾根まで行き準備をして滑り込む。
あっという間に沢に下りると、二俣のところは風の通り道か、深くえぐられていた。
沢床は出ていないが、ここは歩いてトラバース。
ここからが本来のドロップイン。

ナメの斜面は快適だったが、そこを過ぎると凸凹斜面。
風のせい?それともデブリの融けた後?しかも、早めの出発が裏目に出てまだ雪面は硬い。
腐っていればエッジで削りながら滑れるが、さながら小千谷名物「ちぢみ煎餅」の表面をカービングで滑る技もなく、できるだけ両脇の平坦なところを選びながら安全第一で滑る。
尾根から見えた鬼門は強引にデブリに乗っかる。
そんなことをしていたら中間地点で右足の腿がつった。
そこで、前にノリさんからもらった漢方を飲むと、5分もしないうちに回復。
気を取り直し一気に滑り降りる。
ナメ沢出合を過ぎて、最初の滝の地点にくれば一安心で、ここで一休み。
この先の下流はゴーロ地帯でだらだらの斜面だ。
遠目には快適そうに見え、駒ヶ岳の白沢的な雰囲気を期待していたが、なかなか好条件には巡り会えないもんだ。

スキーのトレースに導かれ、堰堤の手前から左岸に移り、沢登りの時と同じ林道を滑って桜坂に出た。
ここからがボードには辛い試練が待っているのだが、登って来たルートは途中歩きの部分が長いので、途中から左に入り送電線の下を行くと、ストックを使いながら何とか脱がないで車に戻ることができた。